会長挨拶

 我が国における重症心身障害児者(重症児者:重度の肢体不自由と重度の知的障害を合併している方々)の数はおよそ40,000人と推定され、栃木県において もおよそ600人の方々が県内4か所の入所施設や病院あるいは自宅で生活してい ると考えられています。
 在宅の方々は日常の医療的ケア、緊急時の受診、短期入所(レスパイト)、
介護するご家族の負担などの困難を抱えている方も多く、入所施設の側でも 重症化や医療の高度化への対応、職員の確保などの問題点を抱えています。
一方、周産期医療の進歩によって救命はできたものの、脳に重い障害を残した 子どもたちが、退院のめどが立たずに新生児集中治療室(NICU)などに入院 を続けている例もあり、その解決が緊急の課題になっています。
 このような状況を改善し、重症児者医療・福祉の向上を図り、NICUを有する 県内の病院などとの連携を深めるために、平成24年にこの協議会が設立されま した。設立以来、栃木県からの委託や補助を受けて重症心身障害に関係する 県内諸施設間の情報共有のための会合、講演会や研修会、県内の医療・福祉 施設に関する調査、一般市民の方々に対する啓発活動などを行って参りまし た。今後も引き続いて、重症児者の方々の病院からの在宅移行や在宅支援・ 入所支援が適切に行われるよう、関係機関との連携強化、在宅移行のシステム
作り、人材育成などの活動を行って参ります。皆様方のお役に立てるようこのホームページにもさまざまな情報を提供して参りますが、ご覧になった皆様からも当協議会に対してのご意見やご要望をお聞かせいただければ幸いです。

平成30年7月
                 栃木県重症心身障害連絡協議会 会長
                 (なす療育園施設長)  下泉秀夫